Routine Labo / AIモデル検証

Gemini 4 Argon は Claude Opus 5.5 を超えたのか ― 同じ11課題で作らせて、出来・時間・費用を比べた

2026年10月13日に一般公開された Google の Gemini 4 Argon。Google の公式表では19項目中14項目で1位ですが、第三者の総合評価では Claude Opus 5.5 に届いていません。どちらが本当なのか。料金と使える場所、ベンチマークの読み方を整理したうえで、Opus 5.5 と同じ文面の11課題を Argon に作らせ、出来・時間・費用を並べます。

Gemini 4 Argon は Opus 5.5 を超えたのか 同じ11課題で比較

結論:作るのは Argon が速い。総合力はまだ Opus 5.5。動画を読めるのは Argon だけ

Gemini 4 Argon は、Google が Gemini 3.1 Pro から7か月ぶりに出した最上位モデルです。今のところ Gemini 4 はこの1本だけで、Gemini アプリなら Google AI Pro(月¥2,900)から使えます。無料版と AI Plus では使えません。

同じ文面のお題を11本作らせると、作り終えるまでの時間は Argon のほうがずっと短くなりました(Argon は API に1回投げて受け取る、Opus 5.5 は Claude Code がファイルに書きながら作る、という作り方の違いはあります)。一方、第三者の総合評価は Opus 5.5 の 58 に対して Argon は 53。そして Opus 5.5 にはできない強みが1つあります。動画をそのまま読めることです。

結論:速さのArgon、総合のOpus 動画を読めるのはArgonだけ
図解:Routine Labo

Gemini 4 Argon とは:基本スペック

項目Gemini 4 ArgonClaude Opus 5.5GPT-6.1 Sol
公開2026-09-30 発表/2026-10-13 一般公開2026-09-22—
API 入力 / 出力(100万トークン)$2 / $10(11月30日まで)
$4 / $20(12月1日から)
$4 / $20$2 / $10
入力できるものテキスト・画像・音声・動画・PDFテキスト・画像—
出力テキストだけテキストテキスト
コンテキスト1,048,576(入力・考える分・出力で共有)100万105万
1回の出力既定 65,536(長い出力の仕組みで最大 約100万)12.8万12.8万
考える量low/medium(既定)/higheffort(既定 medium)—
知識2026年3月まで2026年6月まで—

出典:Gemini API のモデルページ・料金ページ(2026-10-14 取得)ai.google.dev/Claude Opus 5.5 の概要(2026-10-14 取得)platform.claude.com/OpenAI の料金(2026-10-14 取得)developers.openai.com。今のところ Gemini 4 は Argon だけで、Flash 版の Gemini 4 はありません。前の Pro は Gemini 3.1 Pro です(3.5 Pro は出ていません)。

Gemini 4 Argonってどんなモデル?
図解:Routine Labo

料金と使える場所:無料では使えない。API は12月1日に2倍

使い方料金Argon
Gemini アプリ 無料¥0使えない
Google AI Plus¥725/月使えない
Google AI Pro¥2,900/月使える(アプリ・検索の AI Mode・Antigravity)
Google AI Ultra¥14,500・¥32,000/月使える(アプリ・AI Studio・Antigravity)
Gemini API(有料枠)入力 $2・出力 $10 → 12月1日から $4・$20使える(無料枠なし)

出典:Google AI プラン(日本・2026-10-14 取得)gemini.google/Gemini API 料金(2026-10-14 取得)ai.google.dev。API の出力料金には考える分のトークンも入ります。AI Pro を契約していても API は別料金です。アプリの回数は計算量で決まる方式で、Argon 固有の回数は公開されていません。Antigravity は、Google の発表記事では Ultra だけの案内でした。一方、Antigravity の公式ブログ(2026-10-13)antigravity.google では AI Pro と Ultra に順次提供で、デスクトップアプリと CLI から選べます。2026-10-16 に AI Pro の契約で選べることを確かめました(Routine Labo も AI Pro のまま使っています)。Ultra は利用の上限が高くなります。

12月1日からの API 単価($4・$20)は Claude Opus 5.5 と同じです。導入価格の間は Sonnet 5.5・GPT-6.1 Sol と同じ値段です。GitHub Copilot・Cursor・OpenRouter からも選べますが、Claude Code と Codex からは使えません。

料金と使える場所
図解:Routine Labo

ベンチマークの読み方:公式と第三者がずれている

Google のモデルカードの表では、Argon は19項目中14項目で1位です。ただし実務の開発作業を測る Terminal-bench 4.0 では、4モデルの中で最下位でした。

ベンチ(Google の公式表)Gemini 4 ArgonGPT-6 AstraClaude Fable 5.1Claude Opus 5.5
Vals Index68.9%63.1%65.8%67.0%
AutomationBench(業務の自動化)51.3%41.4%31.4%42.5%
DeepSWE v1.1(長い実リポジトリ作業)77.9%74.1%67.4%74.2%
LVBench(長い動画の理解)91.7%87.5%79.7%83.7%
Terminal-bench 4.0(ターミナル作業)57.4%58.2%57.9%66.4%
FrontierSWE v255.0%65.5%56.3%62.3%

出典:Gemini 4 Argon モデルカード(2026-10-14 取得)deepmind.google。Argon は一番強い設定(high)で Google が測った値、他社は各社の自己申告の値で、条件はそろっていません。比較相手に GPT-6.1 Sol と Sonnet 5.5 は入っていません。

第三者の Artificial Analysis が全モデルを同じ方法で測った総合評価では、順位が入れ替わります。

モデル(設定)総合評価1タスクの費用1タスクの出力トークン
Claude Opus 5.5(max)58$5.9811.9万
Claude Sonnet 5.5(max)56$5.4619.7万
Gemini 4 Argon(high)53$1.99(12月から $3.98)6.2万
GPT-6 Astra(max)53$3.262.7万
GPT-6.1 Sol(max)52$0.723.8万
Claude Opus 5.5(high)54$1.823.6万
Gemini 3.1 Pro Preview(前の Pro)30$1.301.8万

出典:Artificial Analysis(2026-10-14 取得)artificialanalysis.ai。216モデル中 Argon は8位。Argon の安さは単価の割引によるもので、使うトークンは GPT-6 Astra の2倍以上です。

公式と第三者がずれている
図解:Routine Labo

「嘘をつかない」は本当か

Artificial Analysis の測定では、Argon の幻覚率(知らないのに答えてしまう率)は 15.1% で、上位のモデルで最も低い値でした。Opus 5.5 は 58.6% です。ただし正答率は Argon 49.9%、Opus 5.5 66.2% で、Argon は知らないときに「わからない」と引く分、知っていることも少なく答えるタイプだと読めます。

念のため、存在しない関数・架空の小説・前提がおかしい質問を混ぜた10問を両方に2回ずつ投げてみました。結果はどちらも10問とも作り話ゼロ。簡単な引っかけでは差は出ません。差が出るのは、本当に知らない難問に答えるか黙るか、という場面です。

世の中の反応

世の中の反応
図解:Routine Labo

同じ11課題で Opus 5.5 と比べた

自分の検証環境(検証アリーナ)で、Claude Opus 5.5 に作らせたのと同じ文面の11課題(ゲーム・3D・図解)を Argon に作らせました。お題の文面は11本ともハッシュ値まで一致しています。

作り方の条件は違います。Argon は API に1回投げて HTML を1枚受け取りました(OpenRouter 経由・考える量 medium=既定・1課題1回)。Opus 5.5 は Claude Code がファイルに書きながら作っています(既定の設定)。手直しの機会は Opus 5.5 のほうが多い条件です。

同じ11課題で比べる
図解:Routine Labo
お題Argon の時間Argon の費用Opus 5.5 の時間
2Dアクション1分55秒$0.178分12秒
3Dアスレチック2分45秒$0.2410分18秒
ボクセル(掘る・置く)2分39秒$0.2315分58秒
カートレース4分33秒$0.4114分19秒
モンスター育成RPG3分00秒$0.2633分42秒
3D対戦アクション4分01秒$0.3214分04秒
図解(インフォグラフィック)3分30秒$0.286分20秒
3D鬼ごっこ2分52秒$0.2723分02秒
ロボ1対1対戦2分35秒$0.258分55秒
3Dサバイバル3分46秒$0.3514分35秒
3Dアクション(箱庭)3分57秒$0.3630分10秒
合計35.6分$3.13179.6分

自分の実測(2026-10-14・検証アリーナ)。Argon の費用は OpenRouter の実際の請求額。Opus 5.5 は Claude Code のサブスク枠で作ったため、トークン数と費用の記録がありません(9月23日〜29日の実測)。作り終えるまでの合計時間は Argon が約 5.1分の1でしたが、作り方が違う(1回で受け取る/ファイルに書きながら作る)ことによる差も含みます。

11課題の時間と費用
図解:Routine Labo

同じお題の画面を並べる(左=Argon・右=Opus 5.5)

どちらも同じ操作(読み込み → クリック → Enter → Space → 方向キー → ボタン)をしたあとの画面です。止まった1枚なので、遊んだときの手触りは本編の動画で見てください。

カートレース Gemini 4 Argon と Claude Opus 5.5 の比較
カートレース:左=Gemini 4 Argon(2026-10-14・API に1回)/右=Claude Opus 5.5(2026-09・Claude Code)。画面:Routine Labo の検証環境
ボクセル(掘る・置く) Gemini 4 Argon と Claude Opus 5.5 の比較
ボクセル(掘る・置く):左=Gemini 4 Argon(2026-10-14・API に1回)/右=Claude Opus 5.5(2026-09・Claude Code)。画面:Routine Labo の検証環境
3Dアクション(箱庭) Gemini 4 Argon と Claude Opus 5.5 の比較
3Dアクション(箱庭):左=Gemini 4 Argon(2026-10-14・API に1回)/右=Claude Opus 5.5(2026-09・Claude Code)。画面:Routine Labo の検証環境
3D対戦アクション Gemini 4 Argon と Claude Opus 5.5 の比較
3D対戦アクション:左=Gemini 4 Argon(2026-10-14・API に1回)/右=Claude Opus 5.5(2026-09・Claude Code)。画面:Routine Labo の検証環境

この回で投げたお題(カートレース・全文)

11課題のうち、カートレースのお題の全文です。同じ文面を自分の使っているモデルに投げれば、同じ比較ができます。

【出力条件・厳守】
1. 出力は「単一のHTMLファイル」を1つだけ。file:// でダブルクリックして即動くこと。
2. コードは省略禁止。「// 以下同様」「...(省略)」は禁止。全文を書ききる。
3. Three.js のみ CDN(importmap) 読み込み可。★物理エンジン(cannon-es/rapier/ammo等)は禁止★
   (走行・ジャンプ・衝突は自前実装)。それ以外の外部アセット(画像/音声/フォント/3Dモデル)は
   禁止=素材はコード生成。
4. 起動時のコンソールエラーは0件であること。
5. 最後に「仕様チェックリスト」を表で出し、各項目に ✅ / ❌ を自己申告する(嘘の✅は最も減点される)。

【お題】Three.js で「マリオカート64」の世界観を、できる限り忠実に再現した3Dカートレースを作れ。
キャラクター・カート・コース・アイテム・走りの手触りを、あの名作を遊んだ人が一目で分かる水準まで作り込み、
見た目は現代の高品質なレースゲームの水準まで引き上げる。

■ 再現するもの:
- レーサー:8人(プレイヤー1+CPU7)。赤い帽子の配管工・緑の弟・お姫さま・キノコ頭・恐竜・ゴリラ・亀の大王・
  ずんぐりした敵役など、色と体格で見分けられるキャラクターを関節付きの形状でコード生成し、それぞれにカートを付ける。
  重量級・中量級・軽量級で最高速と加速の性格を変える。
- コース:最低1つ(例:マリオサーキット風。土管・看板・ジャンプ台・内側のダート・高低差のある坂とカーブ・
  コースを囲む丘と青空)。路面・芝・ダートで摩擦を変え、コース外は減速する。場外に落ちたら救出されて復帰する。
- レース:3周。スタート前に雲に乗った審判風の信号が「赤→赤→青」と点灯してスタート。
  ゴールで順位表・各ラップのタイム・総合タイムを出す。
- アイテムボックス:コース上に並べ、取るとルーレット演出の後にアイテムが決まる。
  バナナ(後ろに置く)・緑こうら(直進して壁で跳ね返る)・赤こうら(前の相手を追尾)・キノコ(加速)・
  スター(一定時間無敵で加速)を最低限そろえる。順位が低いほど強いアイテムが出やすい。
- ダッシュ板:踏むと加速する。

■ 走りの手触り(最重要):
- アクセル・ブレーキ・ハンドルに慣性がある。速度で曲がり方が変わる。
- ホップしてからのドリフト。ドリフトを続けると火花の色が変わり、離すとミニターボで加速する。
- スタートダッシュ:信号のタイミングに合わせてアクセルを入れると加速、早すぎるとエンスト気味になる。
- バナナ・こうらに当たるとスピンしてよろけ、減速する。カート同士はぶつかると押し合う(重量差で押され方が変わる)。
- CPU:走行ラインをたどり、ドリフトもする。アイテムを使う。順位に応じた追い上げで最後まで接戦になる。
- 操作: 矢印キー または WASD でハンドル・アクセル・ブレーキ、Shift ホップ/ドリフト、Space アイテム、
  C で後ろを見る。キー割当は画面に表示する。

■ カメラ:
- カートの後方から追うカメラ。コーナーで少し振られ、加速時に引く。C で後方を映す。

■ ハイクオリティな見た目:
- 当時の雰囲気(原色の明るい配色・丸みのある丘・青空)を保ちつつ、
  影・フォグ・空のグラデーション・路面の質感で現代の品質に引き上げる。
- タイヤの土煙・ドリフトの火花・ミニターボの炎・アイテム取得のきらめき。

■ HUD: 順位(大きく)・周回・ラップタイム・アイテム枠・ミニマップ(全レーサーの位置)・逆走の警告。

■ 音: WebAudio 合成(回転数に連動するエンジン音・ドリフト・ミニターボ・アイテムボックス・こうら・スタート信号・ゴール)。

■ パフォーマンス: FPS55以上(rAF一元化・不要なジオメトリ再生成の回避)。

■ 採点API: window.__GAME = { state, lap, laps, rank, speed, pos, item, racers,
  start(), reset(seed), step(n), fps } をグローバル公開する。

動画を丸ごと渡す:Opus 5.5 にできない使い方

Claude Opus 5.5 は公式に「テキストと画像 → テキスト」で、動画は入力できません。Argon は動画をそのまま読めます。Gemini アプリ(AI Pro 以上)なら、動画を添付してプロンプトを送るだけです。添付できる動画は1本 2GB まで、合計1時間までです(support.google.com)。

API で自分の動画の3分を渡して試したところ、10秒・約$0.04(約7円・1ドル155円で換算)で、タイムスタンプ付きの目次とブログの見出しが返ってきました。話していたツール名も拾えていました。

この動画を見て、次の3つを日本語で作ってください。
1. タイムスタンプ付きの目次(mm:ss 形式・6〜10項目)
2. ブログ記事の見出し構成(H2を4つ・各H2に要点2行)
3. この動画で話している数字とツール名の一覧(話しているとおりに)
聞き取れない箇所や映っていない内容は推測せず「(不明)」と書いてください。
動画を丸ごと渡す
図解:Routine Labo

乗り換えるべき?いま使っているモデル別の判定

乗り換えるべき?
図解:Routine Labo
どこに使える?3タイプ別
図解:Routine Labo

注意点

注意点
図解:Routine Labo

まとめ

  1. Gemini 4 Argon は Google の7か月ぶりの最上位モデル。AI Pro(¥2,900)から使える
  2. 同じ11課題で比べると、作り終えるまでの時間は Argon が短い。出来は1本ずつ見て判定する
  3. 動画をそのまま読めるのは Argon だけ。API は12月1日に2倍になるので、試すなら11月中
まとめ
図解:Routine Labo