Routine Labo / 新モデル解説

Grok 4.7 で何が作れる?
— 作例で見る、使えるモデルの地図

2026年9月23日 / Routine Labo

Grok 4.7 で作った3作品のサムネイル案

SpaceXAI(旧 xAI)が 2026年9月21日(日本時間22日)に Grok 4.7 を公開しました。 料金は前の 4.6 と同じ 100万トークンあたり入力 $2・出力 $6。そのうえで、数時間かかる長い作業と、資料づくりが一段強くなったモデルです。

この記事では、Grok 4.7 にプロンプト1回で作らせた3つの作品(V8エンジンの3D解説サイト・10枚のアニメーション付きスライド・2Dアクションゲーム)を入口に、 何が変わったのか、どこで使えるのか、X でどう評価されているのか、そして向く仕事と向かない仕事までを整理します。

Grok 4.7 とは:いつ・どこで使えるか

Grok 4.7 は SpaceXAI の新しい言語モデルです。入力はテキストと画像、出力はテキストで、コンテキストは 50万トークン。 推論の強さを low / medium / high(既定)/ xhigh の4段階から選べます。画像や動画は作れません(それは Grok Imagine の担当です)。

注意したいのは使える場所です。公開時点で使えるのは API、Grok Build(既定モデル)、Cursor(全プラン)、GitHub Copilot(Pro 以上・段階提供)、 Word・PowerPoint・Excel の Grok アドイン、OpenRouter など。grok.com・スマホアプリ・X の中の Grok ではまだ使えません(公式モデルカードに「後日追加」と記載。9月29日時点でも提供の告知はありません)。

Grok 4.7 はどこで使えるかの図解
図解:Routine Labo

4.6 から何が変わった

公式の説明では、4.6 より大きい新しいベースモデルに、数時間かかる課題を中心とした強化学習を長く回しています。 いちばん伸びたのは長い作業の指標で、Terminal-Bench 4.0 は 20.3 → 38.0(約1.9倍)。公式は「文書・プレゼン作成も向上した」とも説明しています。

SpaceXAI 公式の Grok 4.7 比較表
出典:SpaceXAI 公式 Grok 4.7 比較表(2026-09-23 取得)
x.com/SpaceXAI

性能:強い所と弱い所

公式の表を「単独1位」「2位」「届かない」に並べ直すと、立ち位置がはっきりします。

指標Grok 4.7Grok 4.6GPT-5.6 SolFable 5.1位置
法務 Harvey Legal Agent19.6%15.8%2.5%6.7%単独1位
電気工学 EEBench64.0%53.0%39.4%56.4%単独1位
事務 AA-Briefcase16571546148716782位
ソフトウェア CursorBench 4.046.3%40.4%41.7%51.8%2位
長時間ターミナル Terminal-Bench 4.038.0%20.3%37.3%57.9%大差で2位
医療 HealthBench Pro56.7%48.5%60.5%62.1%3位

読むときの注意が2つあります。ひとつは、Grok 4.7 だけ xHigh 設定(4.6 は High)での自己申告値であること。 もうひとつは、比較相手が 旧世代の GPT-5.6 Sol で、翌日に出た GPT-6 Sol や Claude Opus 5.5 は入っていないことです。

第三者の Artificial Analysis の評価では、Intelligence Index が 46(4.6 から +2、首位は 53)、Coding Agent Index が 56(4位)。 最前線ではないものの、「トップ4ラボ入り」と評されています。

1週間後の順位(2026年9月29日確認)

同じ週に出た Claude Opus 5.5 と GPT-6 Sol が評価表に入ると、順位は下がりました。

指標Grok 4.7比べる相手
Artificial Analysis 知能指数46Opus 5.5 58(首位)/Fable 5.1・Astra 53/Sol 48
Arena Text(旧 LMArena)92位1位は Opus 5.5
Arena WebDev13位1位は Opus 5.5
Vending-Bench 2(自販機経営の長期シミュレーション)$10,537Opus 5.5 $9,235 を上回る

総合の順位では上位勢に届かない一方、長く回し続ける事務的な作業では Opus 5.5 を上回った評価もあります。 出典:Artificial Analysis/Arena/Andon Labs

Grok 4.7 の強い所と弱い所の図解
図解:Routine Labo
Artificial Analysis の Grok 4.7 評価
出典:Artificial Analysis「Benchmarking Grok 4.7」(2026-09-23 取得)
artificialanalysis.ai

料金:単価は安い、でも量は2倍

API 料金は 100万トークンあたり 入力 $2・出力 $6(キャッシュ入力 $0.50)で、4.6 から据え置きです。 ただしプロンプトが20万トークンを超えると、そのリクエスト全体が倍額($4・$12)になります。

モデル(同じ週の比較)入力出力
Grok 4.7$2$6
GPT-6 Sol$2$10
Claude Opus 5.5$4$20
Fable 5.1 / GPT-6 Astra$10$50

気をつけたいのはトークンの量です。Artificial Analysis の計測では、1タスクあたりの出力が約8.1万トークンで、 4.6(約3.6万)の約2.25倍。単価が安くても、たくさん書くので1タスクの費用は思ったほど下がりません。 モデルを選ぶときは「1タスクいくらか」で比べるのが安全です。

Artificial Analysis の一覧では、1タスクあたりの費用は Grok 4.7(xhigh)が $3.74、GPT-6 Sol が $1.05。 出力速度も 74 トークン/秒で、Opus 5.5(93)より遅い計測です(2026年9月29日確認)。

Grok 4.7 の料金の見方の図解
図解:Routine Labo

X での評判:称賛と批判

以下は他の人の投稿です(表示回数は 2026年9月23日時点)。

褒める声

批判の声

1週間たっての声(9月23日〜29日)

Musk 本人も公開前に「Opus 5.0 並みで 5.1 には届かない」「マルチモーダルは直す必要がある」と投稿しています。 最前線ではないが、安くて作れるというのが、おおむね一致した見方です。

どこに使えるか:向く仕事・向かない仕事

こういう仕事根拠判定
Webアプリ・3D可視化・ゲームの試作X の作例/今回の作品1・3向く
資料づくり(PowerPoint・Excel・Word)公式「文書・プレゼン作成が向上」/Office アドインの既定モデル/今回の作品2向く
長時間のコーディング・エージェント作業Terminal-Bench 20.3→38.0/Coding Agent Index 56向く(最上位は Fable 5.1)
法務・電気工学などの専門事務Harvey 19.6・EEBench 64.0 で単独1位(公式ベンチのみ)向く
読ませる文章(ブログ本文・メール)「冗長」「読みにくい」という声他モデルが無難
医療・長い文章の読解HealthBench 3位・長文脈の指標が低下慎重に
画像・動画を作る出力はテキストのみGrok Imagine を使う
Grok 4.7 の向く仕事・向かない仕事の図解
図解:Routine Labo

実際に作らせた3作品(プロンプト全文)

3本とも同じ条件(単一のHTMLファイル・外部ライブラリ禁止・コード省略禁止)で、Grok 4.7 に1回だけ投げたものです。 下のプロンプトをそのままコピーすれば、Cursor や API など自分の環境でも同じ課題を試せます。

作品1:V8エンジンの3D解説サイト

X で話題になった「3Dジェットエンジン」と同じ系統の課題です。部品を分解して動かし、クリックで名称と役割を出すところまで求めています。

作品1:V8エンジン3D解説そのまま貼って1回で生成
【出力条件・厳守】
1. 出力は「単一のHTMLファイル」を1つだけ。file:// でダブルクリックして即動くこと。ビルド・サーバ不要。
2. コードは省略禁止。「// 以下同様」「...(省略)」は禁止。全文を書ききる。
3. 外部アセット(画像/音声/フォント/3Dモデル)への参照は禁止。必要な素材は全てコードで生成する。
   three.js 等のライブラリも使わず、**生のWebGL2 か Canvas2D** で書くこと。
4. 起動時のコンソールエラーは0件であること。
5. 画面右上に常時HUDを出す: FPS / 現在の状態 / 主要デバッグ値。
6. 最後に「仕様チェックリスト」を表で出し、各項目に ✅ / ❌ を自己申告する(嘘の✅は最も減点される)。

【お題】V8エンジンが動く仕組みを、分解して見せる3Dの解説サイトを作れ。

部品を1つずつ見られて、実際に動くところまで作る。

必須仕様:
- V8エンジンの主要部品を**コードで生成**する(シリンダー8本・ピストン・コンロッド・クランクシャフト・カムシャフト・バルブ・フライホイール)
- 部品総数を画面に表示する(最低40個)
- 再生ボタンでエンジンが回る。ピストンが上下し、クランクが回り、バルブが開閉する。回転数スライダーで速度を変えられる
- スライダーで全部品を「爆発」させて離し、内部が見える
- 部品をクリックすると強調表示され、名称と役割の説明が右パネルに出る
- 4サイクル(吸気・圧縮・爆発・排気)を色で示し、いま何行程かを表示する
- マウスドラッグで回転、ホイールでズーム

作品2:10枚のアニメーション付きスライド

公式が「伸びた」と言うプレゼン作成を、1920×1080 の自動再生スライドで確かめる課題です。

作品2:10枚アニメ付きスライドそのまま貼って1回で生成
【出力条件・厳守】
1. 出力は「単一のHTMLファイル」を1つだけ。file:// でダブルクリックして即動くこと。
2. コードは省略禁止。「// 以下同様」「...(省略)」は禁止。全文を書ききる。
3. 外部ライブラリ・CDN・Webフォント読み込み禁止(システムフォントでよい)。画像ファイル禁止=
   図解・アイコンはCSS/SVG/絵文字で描く。
4. 起動時のコンソールエラーは0件であること。
5. 最後に「仕様チェックリスト」を表で出す(最終スライドの次の隠しスライドか、?キーで開くパネル)。
   各項目に ✅ / ❌ を自己申告する(嘘の✅は最も減点される)。

【お題】下記の【支給構成】どおりの10枚組アニメーション付きプレゼンスライドを作れ。
1920×1080の固定ステージで、紙芝居のように自動再生される解説スライドである。
デザインの質・アニメーションの気持ちよさ・情報の視覚化がそのまま採点対象になる。

必須仕様:
- ステージ: 1920×1080固定。ウィンドウサイズに合わせてtransform:scaleで等比フィットさせる。
- 再生: 初期表示に▶ボタン→クリックで自動再生開始。1枚あたり5〜8秒で自動送り。
  Space=一時停止/再開、←→=手動でスライド移動、R=最初から。画面下に進捗バーと「n / 10」表示。
- ★スライド内アニメーション: 各スライドで要素が順番にポップイン(フェード+スライド+スケール等)
  する。全要素同時出現は減点。数値は0からのカウントアップ演出、比較はバーやメーターの伸長演出を
  必ずどこかで使う。
- 文字は「読む」より「見る」大きさ(本文でも28px相当以上)。1枚に詰め込まない。
- 配色・レイアウトは自由(プロの資料に見えること。素のHTMLの見た目のままは大幅減点)。

【支給構成】(10枚・この内容と数値を過不足なく使う。文言の整形・見出し化は自由、数値の改変は禁止)
1. 表紙: タイトル「なぜ習慣化は3日で終わるのか」/サブ「行動科学で作り直す継続の仕組み」
2. 結論: 意志力ではなく「仕組み」が9割。今日から使える3つの原則を紹介する
3. 問題提起: 新年の目標が1月中に挫折する人は64%。アプリを入れても7日後の継続率は15%
4. 原因: 脳は変化に抵抗する。「大きすぎる目標→失敗→自己嫌悪→放棄」のループ図解
5. 原則①スモールステップ: 「1日1回の腕立て」から。行動のハードルを1/10にすると継続率は3.2倍
6. 原則②トリガー設計: 既存習慣に接続する(歯磨きの後に○○)。実験では定着まで平均66日
7. 原則③即時報酬: 記録・チェックマーク・連続日数。可視化だけで継続率が41%→58%に改善
8. 比較: 意志力型(挫折率82%)vs 仕組み型(挫折率31%)を対比の図で
9. 実践ロードマップ: 週1「1つだけ」→週2-4「トリガー接続」→週5以降「記録で強化」の3段階
10. まとめ+行動喚起: 3原則の再掲。「今日、1つだけ小さく始める」

- 採点用API: window.__DECK__ = { slideCount, current, goto(n), play(), pause(), playing }
  をグローバル公開。goto(n)で任意スライドの完成状態(アニメ終了後の見た目)へ飛べること。

作品3:2Dプラットフォーマー(基準線)

新しいモデルが出るたびに毎回出している同じ課題です。歴代モデルと同じ目盛りで見られます。

作品3:2Dプラットフォーマーそのまま貼って1回で生成
【出力条件・厳守】
1. 出力は「単一のHTMLファイル」を1つだけ。file:// でダブルクリックして即動くこと。ビルド・サーバ不要。
2. コードは省略禁止。「// 以下同様」「...(省略)」は禁止。全文を書ききる。
3. 外部アセット(画像/音声/フォント/モデル)への参照は禁止。必要な素材は Canvas / WebAudio / コードで生成する。
4. 物理・ゲームロジックは固定タイムステップ 1/60秒 で更新し、描画と分離する(可変dtをそのまま積分するのは禁止)。フレーム落ち時はアキュムレータで補正(最大5ステップでクランプ)。
5. 乱数はseed固定のPRNG(xorshift等)。同じ入力列なら必ず同じ結果になる(決定論)。
6. 画面右上に常時HUDを出す: FPS / フレーム時間ms / 現在state / 主要デバッグ値。
7. F1キーで当たり判定(コリジョン形状・法線・接地フラグ)のデバッグ描画をトグルできる。
8. 起動時のコンソールエラーは0件であること。
9. 自動採点用に window.__GAME = { state, player, entities, step(n), reset(seed) } をグローバル公開する。
10. 最後に「仕様チェックリスト」を表で出し、各項目に ✅ / ❌ を自己申告する(嘘の✅は最も減点される)。

【お題】
(ここに各課題を貼る)

【お題】Canvas 2D のみ(WebGL・外部ライブラリ・CDN 全て禁止)で、横スクロール2Dアクションを作れ。1280x720。

必須仕様:
- プレイヤー移動: 加速度と減速度は別係数。最高速度あり。空中制御は地上の60%。
- 可変ジャンプ: ボタンを離した瞬間に上昇速度を半減。
- コヨーテタイム 80ms / ジャンプ先行入力バッファ 100ms。
- 落下速度は最大でも1フレームあたりタイル1枚を超えないよう、スイープ(連続)衝突判定で床を貫通させない。
- 衝突解決は X軸→Y軸 の分離解決。壁への貼りつき・床でのガタつきを起こさないこと。
- 一方通行床(下から通り抜け、上から乗れる。↓+ジャンプで降りられる)。
- 動く床: 乗っている間はプラットフォームの速度を継承し、離れた瞬間もその速度が残る。
- 敵2種(パトロール型 / 追尾型)。踏みつけで撃破、横接触でダメージ+ノックバック+0.8秒無敵(点滅)。
- カメラ: デッドゾーン + 進行方向の先読み(look-ahead) + スムージング。ステージ端でクランプ。
- タイルマップ3ステージ、コイン、ゴール、残機、リトライ、クリアタイム表示。
- 効果音はWebAudioで合成(ジャンプ/被弾/コイン/クリア)。

まとめ