Routine Labo — 台本プレビュー

Claude Fable 5.1 を前世代と比べる
ベンチ2倍は、本当に実物へ出るのか

2026年9月1日にリリースされた Claude Fable 5.1 を、前世代の Fable 5 とまったく同じ条件で6つの課題に通しました。公式のベンチマークでは科学系のタスクが2.1倍に伸びていますが、伸び幅は場所によって大きく違います。そして公式ドキュメントには、意外な但し書きが書かれていました。

Fable 5.1 を検証。ベンチ2倍は本物か

1. 9月1日に何が出たのか

Anthropic は9月1日、Claude Fable 5.1Claude Mythos 5.1 を同時にリリースしました。この2つは同じモデルで、違うのは安全対策の水準だけです。Mythos 5.1 はサイバーセキュリティと生命科学の用途に向けた限定提供で、米国の組織しか使えません。一般に使えるのは Fable 5.1 のほうです。

9月1日に出たもの
図解:Routine Labo

公式が出したベンチマークの表がこちらです。

Anthropic 公式のベンチマーク比較表
出典:Introducing Claude Fable 5.1 and Claude Mythos 5.1(2026-09-02 取得)
anthropic.com

2. 伸びた場所は、かなり偏っている

いちばん大きい数字は Terminal-Bench-Science 0.1 です。前世代の 24.7% から 52.6% へ、約2.1倍に伸びています。公式の表では Agentic scientific research という見出しが付いている項目です。

ただ、表を横に見ていくと様子が変わります。業務ワークフローを測る AutomationBench は 17.1% から 31.4% と大きく伸びていますが、日常のコード編集に近い CursorBench 3.2.0 は 70.5% から 73.4% で、差はわずかです。平均で語ると見誤る種類の更新だと分かります。

ベンチマークFable 5.1Fable 5Opus 5伸び
Terminal-Bench-Science 0.152.6%24.7%29.0%2.13倍
AutomationBench31.4%17.1%26.9%1.84倍
Terminal-Bench 4.055.8%42.0%52.3%1.33倍
GDPval-AA v21853172318241.08倍
CursorBench 3.2.073.4%70.5%70.0%1.04倍

「伸び」は Fable 5 に対する Fable 5.1 の倍率(本ページで算出)。元の数値はすべて上の公式表から。

伸びた場所は偏っている
図解:Routine Labo

3. 「25%安くなった」の中身

料金の見出しだけを読むと安くなったように見えますが、実際に下がったのはキャッシュ読み込みだけです。

公式はこの変更で「通常のワークロードで約25%、高度に自律的な作業で最大45%のコスト減」としています。裏を返すと、同じ文脈を何度も読み直させる使い方をしていない人には、この値下げはほとんど効きません。短い往復が中心の使い方だと、支払う額は実質そのままです。

値下げはどこに効くのか
図解:Routine Labo

4. 公式ドキュメントに書かれている、意外な但し書き

ここが今回いちばん伝えたい部分です。公式のモデル一覧ページには、こう書かれています。

If you're unsure which model to use, start with Claude Opus 5 for most workloads.
Use Claude Fable 5.1 for demanding reasoning and long-horizon agentic work,
or when your evals on Claude Opus 5 at higher effort still fall short.

訳すと、どれを使うか迷ったら、ほとんどの用途では Opus 5 から始めてください。Fable 5.1 を使うのは、負荷の高い推論と長時間にわたる自律的な作業のとき、あるいは Opus 5 を高いエフォートで試してもなお足りないとき——という位置づけです。

同じページの比較表を見ると、さらにはっきりします。Fable 5.1 のレイテンシは「低速」と明記されていて、価格は Opus 5 の2倍です。

公式のモデル比較表
出典:Models overview(2026-09-02 取得)
platform.claude.com
項目Fable 5.1Opus 5
料金(入力 / 出力)$10 / $50$5 / $25
相対的なレイテンシ低速標準
思考アダプティブ(常時有効)適応型
デフォルトのエフォートhighhigh
コンテキストウィンドウ100万トークン100万トークン
最大出力12.8万トークン12.8万トークン
知識カットオフ2026年6月2026年5月
API IDclaude-fable-5-1claude-opus-5
公式はどう位置づけたか
図解:Routine Labo

5. どうやって検証したか

新しいモデルが出るたびに使っている固定の検証コースから、6つの課題を選びました。同じお題を一度だけ渡し、追加の指示もエラーの指摘もしません。変えるのはモデル名だけで、設定は1文字も動かしていません。

判定は3つの目で行います。最後まで書き切れたか、ブラウザで実際に動くか、そして出力の最後に自分で書かせるチェックリストに嘘がないか。

同じ条件で6課題
図解:Routine Labo

選んだ6課題

課題何を見るか
2Dアクション基準線。毎回必ず出す目盛り
3Dウェブサイトスクロール連動の3D演出と、サイトとしての実用性
剣戟3D(ライブラリ全面禁止)低レイヤの描画実装。完走できるかどうか自体が結果
マイクラ風ボクセル世界大規模な自作を最後まで書ききる持久力
対戦アクション支給素材を使いこなす力と、格闘としての完成度
3D玉転がし物理エンジン禁止での付着と回転の実装

6. 先に知っておく落とし穴

実際に走らせると、性能とは別のところでつまずきます。3つだけ先に共有します。

先に知っておく落とし穴
図解:Routine Labo

7. 収録で使うもの(コピーして使えます)

検証レーンの追加(設定ファイルへ1つ足すだけ)

"fable51-cli-write": {
  "label": "Claude Fable 5.1 (書き出し許可)",
  "type": "claude-cli",
  "cli_model": "claude-fable-5-1",
  "cost": "subscription",
  "enabled": true,
  "timeout_sec": 7200,
  "concurrency": 1,
  "file_tools": true
}

6課題を一度に流す

python3 tools/run.py \
  --label Fable51_vs_Fable5 \
  --prompts kadai1,web3d,kadai3,voxel_minecraft,smash3d,odaiE \
  --lanes fable51-cli-write,fable5-cli-write \
  --runs 1

3Dウェブサイト課題のお題(全文)

【出力条件・厳守】
1. 出力は「単一のHTMLファイル」を1つだけ。file:// でダブルクリックして即動くこと。
2. コードは省略禁止。「// 以下同様」「...(省略)」は禁止。全文を書ききる。
3. Three.js のみ CDN(importmap) 読み込み可。それ以外の外部アセット(画像/音声/フォント)は
   禁止=素材はコード生成。
4. 起動時のコンソールエラーは0件であること。
5. 最後に「仕様チェックリスト」を表で出し、各項目に ✅ / ❌ を自己申告する(嘘の✅は最も減点される)。

【お題】3Dグラフィックを駆使した「超絶クール」な架空プロダクトのWebサイトを作れ。
PC画面(16:9)想定。実在企業・実在製品の名称やロゴは使わない(架空ブランドを自作する)。
見た目のインパクトだけでなく、サイトとして実際に機能すること(ナビ・フォーム・
レスポンス)まで含めて採点する。「デモ」ではなく「公開できる完成品」を目指すこと。

■ 3D表現(最重要):
- ヒーローに Three.js のリアルタイム3Dシーン(プロダクトの抽象オブジェクトや
  幾何学構造体など)。マウス移動で視差・傾きが付き、常時ゆるやかに動き続ける。
- スクロールに連動して3Dシーンが変化する(カメラ移動・オブジェクトの分解/組立・
  色や照明の変化など、セクションごとに見え方が変わる演出)。
- ライティング・影・フォグ・発光素材などで「安っぽくない」質感を作る。
- パーティクルや浮遊要素で奥行きを演出。ただし文字の可読性を壊さない。

■ サイトとしての実体(表面だけで終わらせない):
- 固定ヘッダのナビ(4項目以上・クリックで該当セクションへスムーススクロール・
  現在地がハイライトされる)。
- セクション: ヒーロー / 特徴(3枚以上のカード) / 仕組みや仕様 / 料金プラン(3段) /
  FAQ(開閉アコーディオン) / お問い合わせ。
- お問い合わせフォーム: 入力バリデーション(必須・メール形式)・エラー表示・
  送信で完了メッセージ(送信先はダミーでよいが挙動は本物らしく)。
- 細部の作り込み: ホバー演出・スクロール出現アニメ・カスタムカーソルなど、
  操作した瞬間の気持ちよさ。
- パフォーマンス: スクロールしてもカクつかない(rAF一元化・リサイズ対応)。FPS55以上。
- 一番下までスクロールして「完成している」と感じるフッターまで作る。

■ 採点API: window.__SITE = { sections, fps, scrollProgress, theme } をグローバル公開する。
残り5課題のお題は、そのままコピーして使える形で LINE から配布しています。同じ検証を自分の環境で再現できます。

8. まとめ

乗り換えるかどうかの判断
図解:Routine Labo