手持ちの素材はゼロ。使うのは HitPaw Edimakor 1本だけ。内蔵された複数の動画生成モデルを使い分けて4つのカットを作り、素材を足し、タイムラインで30秒に組み、画質を上げ、ナレーションと字幕を乗せて、そのまま投稿する。作り終わったとき、この30秒に実際いくらかかったのか。クレジット残高を最初から最後まで数えた。
工程は全部で10。クレジット残高10,000からスタートして、生成のたびに減っていく。金額の答えは最後の章にある。使ったプロンプトは4カットぶんすべて全文で載せてあるので、同じ予告編をそのまま作れる。
先に絵コンテを決める。30秒を4カットに割って、それぞれ別のモデルを当てる。どのモデルが優れているかではなく、このカットにどれが向くかで選ぶ。
ポイントは②で、①の最後のフレームをそのまま②の入力に使う。同じソフトの中にいるので、書き出して読み込み直す往復が発生しない。ここが今回いちばん見せたいところ。
動画生成のモデルは、良いものが出るたびに増える。増えるたびに契約が増え、生成した素材をダウンロードして編集ソフトへ運び直す作業も増える。1本ずつの手間は小さいが、4カット作るなら4往復になる。
| モデル | 公式が挙げている特徴 | 今回どのカットに使うか |
|---|---|---|
| Google Veo 3.1 | プロンプト制御とナラティブ機能を強化 | カット1(指示が多い引きの絵) |
| Vidu Q3 Pro | 生成される音声は最長16秒まで対応 | カット2(風と爆発音つき) |
| Kling 2.6 | 映像と音声を同時に生成 | カット3(警告音のある緊迫) |
| MiniMax Hailuo 02 | 最先端の指揮体制 | カット4(決めカット) |
| MiniMax Hailuo 2.3 Fast | 標準版より高速でコストも低い | 捨てカットを数出す |
| Pixverse V5.6 | 前バージョンより高品質 | 今回は使わない |
画像側は nano banana と GPT Image。タイトルカードの背景をここで作る。
4K・144fps に対応していて、ライブ配信の録画もできる。画面とカメラを同時に録れるので、制作過程をそのままメイキング素材にできる。録ったものは2トラックで直接タイムラインに乗る。
同じ1文を3つのモデルへ投げて、このカットに採用する1本を決める。比べるときはプロンプトを1文字も変えない。
砂嵐に沈んだ巨大な廃墟都市。半壊した高層建築のシルエットが橙色の砂塵に霞んで並んでいる。手前の瓦礫の上に、ぼろぼろのロングコートを着た人物が背を向けて立っている。低い位置のカメラが人物の背後からゆっくりと上へ移動し、都市の全景が現れる。逆光、舞い上がる砂塵、実写風のSF映画、シネマティック、35mm、浅い被写界深度、4K
見るのは3点。砂塵の粒の質感、カメラが上へ動く指示が効いているか、そして1回でクレジットがいくつ減るか。高速なモデルは消費が少ないので、捨てカットを数出す役に回せる。
カット1の最終フレームを静止画にして、それを入力に画像から動画へ渡す。前のカットが次のカットの素材になるので、2つが地続きに見える。Vidu Q3 Pro は音声が最長16秒まで付いてくるから、風と遠くの爆発音も最初から乗る。
写真の中の人物がゆっくりと振り返り、こちらを見る。風でロングコートの裾と髪が大きくはためく。背後の砂塵が渦を巻き、遠くで低い爆発音が響く。カメラは人物の顔へゆっくり寄っていく。逆光、実写風のSF映画、シネマティック、16秒、4K
カット3は Kling 2.6。映像と音を同時に生成するので、警告音が最初から入る。カット4は Hailuo 02 で決める。同じ文を高速モデルで3本まとめて出し、採用と捨てをその場で決めるのが実務的に速い。
戦闘機のコックピット内部。赤い警告灯が激しく点滅し、計器のデジタル数字が高速で切り替わる。フロントガラスの外を橙色の砂嵐が流れていく。機体が大きく揺れ、パイロットの手が操縦桿を強く握りしめる。カメラは計器から操縦桿へ素早くパンする。暗い室内に赤い光、実写風のSF映画、シネマティック、4K
砂嵐を切り裂いて、巨大な飛行機体が地上から一気に上昇する。噴射炎が地面の砂を吹き飛ばし、衝撃波が輪になって広がる。カメラは地上の低い位置から機体を見上げ、通過に合わせて素早く上へ振られる。逆光、舞い上がる砂塵、実写風のSF映画、シネマティック、4K
4カットと同じ世界観のキーアートを作る。右半分を余白にしておくと、そこにタイトルを置ける。同じプロンプトを nano banana と GPT Image の両方に投げると、絵柄の傾向差がそのまま見える。
砂嵐に沈む巨大な廃墟都市を、遠景の高い位置から捉えた一枚。橙色の砂塵に霞む高層建築のシルエットが連なり、空は低く重い雲に覆われている。画面の右半分は砂塵だけにして、文字を置けるよう大きく余白をとる。実写風のSF映画のキーアート、シネマティック、高精細、16:9
予告編に足りない実写の砂塵や効果音は、素材を探しに外へ出なくていい。URLを貼れば直接取り込めるし、内蔵の素材ライブラリからも選べる。Pixabay の動画、Unsplash の写真、Giphy、BGM と効果音、1,000以上のフォント、テキストアニメーション、動画テンプレート。
4カットを並べ、再生ヘッドを合わせてカットし、端をドラッグしてトリミングして30秒に詰める。間にトランジションを1つ、最後にタイトルカード。バラバラだった4本が予告編に見え始めるのはこの瞬間。操作の反応が速いので、専門用語を知らなくても手が止まらない。
生成したカットは解像度が足りないことがある。AI動画補正を当てると、砂塵の粒と建物の輪郭、暗部のノイズが目に見えて変わる。モードが複数あって結果も変わるので、効果が薄ければ別のモードに切り替える。差を見るときはプレビューを拡大して、同じ場所を前と後で比べる。
予告編のナレーションを読み上げで作り、それに自動字幕を乗せる。ナレーションが入った瞬間に予告編らしくなる。字幕づくりに使っていた時間はそのまま浮く。
西暦2187年。砂に沈んだ都市に、最後の機体が降り立つ。すべては、ここから始まる。
読み上げに英字をそのまま入れると崩れやすいので、原稿はカタカナで書いておく。
書き出し画面ではファイル名・保存先・形式・解像度を選べる。形式は動画のほかにGIFも出せる。そしてYouTube と TikTok のアカウントへ直接共有できる。いつもは書き出してフォルダを開き、ブラウザで投稿画面を出してファイルを選ぶ。この4手が編集画面の中で終わる。
プランは3つ。月額2,968円で300クレジット、年間6,468円で3,000クレジット、永久プランが7,968円で1万クレジットの一括付与。透かしなしの書き出しと4K出力、商業利用権、30日間の返金保証が付く。Windows版とMac版は同じ価格。
大事なのは内訳のほう。1万クレジットで何ができるかが機能ごとに書かれていて、そこに10倍の差がある。
| 機能 | 1万クレジットで | 1回あたりの目安 |
|---|---|---|
| AIビデオジェネレーター(自動でつなぐ) | 最大667回 | 約12円 |
| テキスト・画像から動画 | 最大63回 | 約126円 |
| 文字起こし・自動字幕 | 最大2,000分 | 約4円(1分) |
| テキスト読み上げ | 最大200分 | — |
| AI動画翻訳 | 最大1,667分 | — |
今回の30秒には、採用した4カットのほかに捨てカットぶんの生成も含まれている。原価はそこまで込みで数える。実際の消費クレジットは収録で実測して、この章で答える。
| 向く | 向かない |
|---|---|
| 短い映像を毎回いくつも要る人/字幕と録画も同じ場所で済ませたい人/投稿まで1本で終わらせたい人 | 1つのモデルを大量に回す人(専用サービスのほうが安くなる)/複数人で共有して使いたい人(1台1ライセンス) |